乳歯にはどんな役割がある?
永久歯を導く20本の働き【草加・獨協大学前】

「どうせ抜けてしまう歯なのに、そんなに大事にする必要があるの?」――乳歯の役割の話は、この率直な疑問から始めるのがいちばん分かりやすいと思います。たしかに乳歯20本は、いずれすべて永久歯と交代します。それでも歯科医院が乳歯のケアをすすめるのは、この20本が「使い捨ての仮の歯」ではなく、子どもの成長のいくつもの場面で現役の仕事を持っているからです。

草加で子育て中の保護者の方に向けて、この記事では子どもの歯が担っている役割を「いま」と「未来」の2つの視点で整理します。読み終えたとき、仕上げ磨きの10分が少し違って見えるはずです。

「いま」を支える役割|
食べる・話す・育てる

乳歯を見せて元気に笑う子どもたち|獨協大学前シティデンタルクリニック

乳歯が現役で働く期間は、生後6か月ごろから12歳ごろまでのおよそ10年余り。体と心がもっとも大きく成長する時期と、そっくり重なります。この期間に乳歯が果たす仕事を挙げてみましょう。

  • 食べ物を噛み砕き、すりつぶして、成長期の体に栄養を送り込む
  • 噛む刺激で顎の骨と周りの筋肉の発育をうながす
  • 舌や唇と協力して、ことばの発音を形づくる
  • 口もとの形を整え、表情をつくる土台になる
  • 永久歯が生えるまでのあいだ、そのスペースを確保しておく

歯や口の機能について、厚生労働省の情報サイトでは、咬むことが成長期には顎の骨や顎の周囲の筋肉の発育を刺激すること、発音が歯・顎・口唇・舌の形態や機能によって作られることが解説されています(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の機能」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-001.html )。

20本の中にも役割分担がある

ひとくちに乳歯といっても、20本が同じ仕事をしているわけではありません。前歯のグループは食べ物を噛み切る係と発音・見た目の係を兼ね、犬歯は食べ物を引き裂きながら噛み合わせの角を支えます。そして奥歯のグループは、すりつぶしという咀嚼の本業を担う主力です。とくに奥の乳臼歯は、あとで生えてくる6歳臼歯が位置を決めるときの手がかりにもなるため、「未来の歯の基準点」という隠れた肩書きも持っています。どの1本が欠けても、その仕事を完全に肩代わりできる歯はいない――20本という数字の重みは、この分業体制にあります。

噛むことは、食べる練習であり顎の運動でもある

乳歯期の「よく噛んで食べる」経験は、単なる行儀の話ではありません。噛むたびに顎へ伝わる刺激が骨と筋肉を育て、その顎の育ちが、のちに生えてくる永久歯の並ぶ場所の広さに関わっていきます。やわらかい物ばかりに偏らず、年齢に合った歯ごたえのある食材を取り入れることは、家庭でできる口の育成メニューといえます。たとえば同じ野菜でも、細かく刻むかスティック状にするかで噛む回数は変わります。調理の切り方をひと工夫するだけでも、毎日の食卓が噛む機会に変わっていきます。

食の経験を広げる時期の伴走者

乳歯の20本がそろう3歳前後からの数年間は、食べられる物の幅が一気に広がる時期でもあります。繊維の多い野菜、弾力のある肉、歯ざわりの違う果物。新しい食感に挑戦できるかどうかは、噛む道具である乳歯の状態に左右されます。奥歯にむし歯の穴があると、無意識に噛みやすい物ばかりを選ぶようになり、偏食に見える行動の裏に歯の事情が隠れていることもあります。食の好き嫌いが急に変わったときは、口の中もあわせて確認してみてください。

発音の練習台としての前歯

サ行やタ行の音は、舌先が前歯の裏側に触れたり近づいたりして作られます。ことばを覚える時期に前歯をむし歯で早く失うと、一部の音が発音しにくくなることがあります。おしゃべりが上手になっていく数年間、乳歯の前歯は毎日の発音練習の相手役を務めているのです。なお、幼児期の発音の未熟さそのものは発達の通り道でもあり、歯だけで説明できるものではありません。「歯が原因かどうか」を切り分けたいときこそ、診察の出番だと考えてください。

「未来」を支える役割|
永久歯を導く20本

机に向かって笑顔を見せる子どもの成長のひとこま|獨協大学前シティデンタルクリニック

乳歯のもうひとつの仕事は、次の世代へのバトンタッチです。じつは乳歯の根の下では、球根が土の中で芽を出す準備をするように、永久歯が何年もかけて育っています。乳歯はその真上で場所を守り、時期が来ると自分の根を明け渡しながら、永久歯を正しい位置へ導きます。

道しるべ、そして場所取りの役

永久歯は基本的に、抜けた乳歯の位置を目印にして生えてきます。乳歯が予定より早く失われると、目印を失うだけでなく、空いた場所へ両隣の歯が傾き込んでしまい、あとから来る永久歯の通り道が狭くなることがあります。乳歯の20本が最後まで持ち場を守りきることが、永久歯の歯並びにとって最初の交通整理になるのです。もし乳歯を早く失う事態になった場合は、空いたスペースを守る装置についてご相談いただけますので、そのままにせず一度ご来院ください。

役割は、生まれる前から始まっている

乳歯の芽(歯胚)は、お母さんのおなかの中にいる時期から作られ始めます。つまり乳歯は、誕生のずっと前から出番に備えてきた歯です。妊娠期からの口の健康づくりについてはマタニティ歯科のページで扱っていますが、「乳歯のケアは生えてから始まるものではない」という視点は、役割を考えるうえでも知っておく価値があります。

「生え変わるから平気」が通用しない理由

ここまでの役割を裏返すと、乳歯をむし歯のまま放置した場合に困るのが誰なのかが見えてきます。噛めなければ食事と顎の育ちに、前歯が欠ければ発音に、早く失えば永久歯の場所取りに、それぞれ影が差します。放置した場合に具体的に何が起こるのかという進行の話はここでは踏み込みませんが、「抜ける歯だから被害もリセットされる」とはいかない、という一点だけは強調しておきます。当院の小児歯科のページでは、こうした事態を防ぐための予防メニューを紹介しています。

役割を最後まで果たさせる3つの習慣

ここまで見てきた役割は、乳歯が健康であって初めて機能します。守り方の柱は3つ。第一に、決まった時間の仕上げ磨きで20本の点検を毎日続けること。第二に、噛みごたえを意識した食卓で「使うことで育てる」を実践すること。第三に、症状のない時期からの定期検診で、家庭の目に映らない変化を拾ってもらうことです。どれも派手さはありませんが、乳歯が10年の任期を全うできるかどうかは、この積み重ねでほぼ決まります。個々の予防処置の中身は、当院の小児歯科のページで紹介しているとおりです。

草加で乳歯の役割を守る
かかりつけを持つには

歯科医院で乳歯の状態を確認してもらう子ども|獨協大学前シティデンタルクリニック

乳歯の役割は、20本がそろって健康であってこそ果たされます。役割を守る方法は特別なものではなく、毎日の歯磨きと、定期的なプロの目によるチェックの組み合わせです。とはいえ、子育ての忙しさの中でそれを続けるのは簡単ではありません。だからこそ、通いやすさと相談しやすさを兼ねた場所を選ぶことが、続けるための現実的な条件になります。獨協大学前駅の周辺でお子さまのかかりつけをお探しでしたら、当院がその役目を担います。

  • 獨協大学前駅から歩いてすぐの場所にあり、休みなく20時30分まで開けています。保育園やお勤めの帰りに寄りやすい時間設定です
  • 子育て世代の患者さまが多い医院ですので、お子さまの扱いに慣れたスタッフが、怖がらせないペースで診療を進めます
  • 検診では、むし歯の有無だけでなく、噛み方・顎の育ち・生え変わりの準備状況まで含めて乳歯の「働きぶり」を確認します
  • 個室診療ですので、授乳中の下のお子さま連れでも周囲を気にせず過ごせます
  • オンライン・LINEで予約でき、ご家族の予定に合わせた時間帯をご案内します

よくある質問

乳歯は永久歯より弱いというのは本当ですか?
本当です。乳歯は表面のエナメル質も中の象牙質も永久歯より薄く、酸への抵抗力が弱いため、むし歯の進みが速い傾向があります。役割の大きさに対して守りが薄い歯だからこそ、フッ素塗布などの予防で外から補強してあげる意味があります。
噛む練習は、何か特別なことをさせるべきですか?
特別な訓練は不要です。年齢に合った固さの食材を、急がずよく噛んで食べる食事そのものが練習になります。丸のみや片側噛みの癖が続く場合は、歯や噛み合わせに原因が隠れていることもあるため、検診の際に食べ方の様子を教えてください。
発音がはっきりしないのは、歯のせいでしょうか?
発音は歯だけでなく、舌の動きや発達の段階など複数の要素で決まります。前歯の欠けやすき間が関係している場合もあれば、成長とともに自然に整う場合もあります。歯の側に原因があるかどうかは診察で確認できますので、気になる音があればご相談ください。
乳歯が早く抜けてしまいました。そのままで大丈夫ですか?
抜けた時期と場所によります。生え変わりが近ければそのまま経過を見ることもありますが、早すぎる喪失では、隣の歯が倒れ込んで永久歯の通り道が狭くなる前に、スペースを保つ装置を検討することがあります。自己判断で様子を見続けず、一度状態を確認させてください。
永久歯がきれいに生えるために、家庭でできることはありますか?
乳歯のむし歯を作らないこと、よく噛む食事を続けること、指しゃぶりなどの癖を年齢に応じて卒業していくことが土台になります。そのうえで定期検診を続ければ、生え変わりのつまずきに早く気づけます。どれも地味ですが、積み重ねの効く方法です。

まとめ|乳歯の役割とは?――20本は「いま」と「未来」の二刀流

乳歯の役割は、食べる・話す・顎を育てるという「いま」の仕事と、永久歯の場所を守り導くという「未来」の仕事の二本立てです。子どもの歯20本は、生え変わるその日まで、成長の最前線で働き続けます。

「どうせ抜けるから」ではなく「抜ける日まで現役だから」ケアをする。この見方の転換が、乳歯を守るいちばんの近道です。草加エリアでお子さまの歯のパートナーが必要になったら、いつでもお声がけください。

乳歯のケアを考えるうえでの注意点

注意点

  • 記事中の発育や発音への影響は一般的な傾向の説明であり、すべてのお子さまに同じ形で当てはまるわけではありません
  • 発音や食べ方の気になりごとは、歯以外の要因が関わることもあります。原因の見立ては診察を経て個別に行われます
  • スペースを保つ装置や歯並びの治療が必要になった場合、内容によっては自由診療となります。適応と費用は事前にご説明します
  • フッ素塗布・シーラントなどの予防処置は、むし歯のリスクを下げる手段であり、発生をお約束するものではない点をご理解ください
  • お子さまの協力度によっては、処置を複数回に分けるなど進め方を調整することがあります

おおよその費用

乳歯のむし歯チェックや経過の確認は保険診療の対象です。制度上の一般論としては、診察と基本的な検査で3割負担が2,000円から4,000円ほどになる例が多いものの、これは全国共通の目安であって当院の掲載額ではありません。草加市にはお子さまの医療費を助成する制度があり、対象のご家庭では窓口負担が目安より軽くなることがあります。お会計の際は、現金のほかクレジットカードでのお支払いもできます。

記載理由

医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)に準拠し、乳歯のケアの必要性に疑問を持つ保護者の方が、役割を理解したうえで予防や受診を選べるように記載しています。

※発育・発音・歯並びへの影響の現れ方には個人差があります。

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村上 翔
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長
私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。乳歯の状態や成長への影響の評価は診察のうえで個別に行われますので、気がかりがあるときは自己判断にとどめず、歯科医院での受診をおすすめします。

患者様の満足度調査を
実施しております。

少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。

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